テロとの戦いが終わらない理由
‘それは、元々テロと戦うべきは警察なのに、アメリカが戦争にして軍隊を使ったから。
テロリズムは犯罪であり、警察力で、法に則って取り締まるべき治安問題。
軍隊は敵の組織的な軍事力に対して、事実上制限なく行う暴力行為。
この2つをごちゃまぜにしてやるから目的に達することができない。
百歩譲って、アメリカ合衆国の言い分が正しくても、
軍隊を使って戦争するなら、
兵士の犠牲だ、市民の犠牲だなんて構わず、都市や地域を焦土にするつもりで攻撃すべきだ。
自国兵士のたった数千人の犠牲など気にしていたら戦争は出来ないし、
敵性国の市民の犠牲者だってしょうがない。
事実、連合国、特にアメリカ合衆国は、第二次大戦で一般市民を目標に攻撃し、日独で一千万人に及ぶ犠牲者を出したが、
アメリカ合衆国全体では、これは仕方ない事だと認識しているではないか。
これはベトナムでも同じ。
それを今更、「これは戦争だ」といいつつ、兵士の犠牲や一般市民の犠牲にビビッているようでは勝てるはずがない。
ドイツ人のすべてがナチスであったわけではないのに、アメリカ合衆国とイギリスは躊躇せず都市を爆撃し、広島長崎に原爆を落とした。
これが許されるなら、イラクやアフガンの一部を焦土にしたっていいことになる。
これは違うだろう。
間違っているだろう。
テロリズムは犯罪行為で、悪いのは国や人種、民族、宗教ではなく、犯罪を起こそうとする人達だ。
これを取り締まるのに軍隊を使えば失敗する。
無人機と情報システムによって、小さなリスクで行えるからと、無駄に軍隊を使い続けるから勝てないのだ。
例えば、コロンビアの麻薬カルテルは、
かつて、飛行機を爆破し、街中で無差別に爆弾を仕掛けた。
政府内にもカルテルと結託した腐敗が横行していた。
だが、これに対してアメリカ合衆国はコロンビアと戦争しただろうか?
無差別に都市を攻撃したか?
やってない。最後はコロンビア政府と協力して、主に警察力で封じ込めた。
もちろん、これは今も続くし、終わらない。
犯罪が無くならないのと同じく、「勝って終わり」なんてないのだ。
アラブの春もアメリカ合衆国の無謀な戦争が契機になっている。
中東のイラクに力の空白地帯を作り出し、法治が無くなったからだ。
本当に民主化するなら、究極はサウジやクウェートの王制は打倒されなければならない。
なのに、アメリカ合衆国はサウジの専制制度は応援し、エジプトの大統領は拒絶した。一応、エジプト大統領は選挙で選ばれている。
欧米日本、そして中国とロシアの人々は戦地で実際に苦しむ人の痛みに共感できない。
無人機やネットワークによる遠隔システムが痛みを断絶しているのだ。
Facebookでは飢えや痛みは伝わらない、怒りと絶望だけが拡散している。
本当にテロリズムと闘うために必要なのは、
雇用と教育だ。
石油産業だけに投資するのをやめて、女子を含めた全児童に学校教育を与える。
軍隊でなく、警察官と医師を養成せよ。
これは可能だし容易い。
‘