【海外ドラマ】Law And Order SVU ファイナルへむけて オリビアの手腕



Law&Order SVU シーズン16でのキャスト

Law And Order SVU(ロー・アンド・オーダー 性犯罪特捜班)もそろそろファイナルへ向かうか。

SVUのシリーズがLaw and Orderで一番最期まで残っていたものなので、Law And Order SVUが終了すればアメリカ合衆国でのLaw and Order 全作の放送が終了し、制作も終わることになります。
(イギリスでLaw and Order UKの制作、放送が残っていたが、これも終了の予定)

ギネスに載るほど長く制作され、放送されてきたシリーズが終わるのは寂しいですが、十分に満喫できました。当初の制作者であるDick Wolf(ディック・ウルフ)もとうの昔に現場を去り、各シリーズは個々に成長していった。品質において頂点は過ぎています。

サブシリーズで最も成功したSVUシリーズはNYPDの性犯罪専門の特捜班を舞台に、常に社会の関心の的となるような事件を扱ってきた。
シリーズ初期はクリストファー・メローニ(Christopher Peter Meloni)演じるエリオット・ステイブラー刑事とマリシュカ・ハージティ(Mariska Hargitay)演じるオリヴィア・ベンソン刑事のコンビによる刑事ヒーローもののようなスタイルで作られ、他のLaw and Orderシリーズよりも刑事の捜査過程を重視していた。
この傾向は、作品と出演者の人気が上がるにしたがいより顕著になり、両主役が制作に積極的に関わるようになると、裁判の過程はより縮小された。
ちなみにこの両主役は、シリーズが人気な時には1話につき40万ドルという破格のギャラをもらっていた。アメリカ合衆国の俳優で最も稼いでいた二人だったのだ。ハリウッド俳優は1年に1作品程度なので、1年で20話程度出演する二人の方が稼ぎは多かった。

作品がすっかり両主役による刑事ヒーローものになってしまうと、一気に作品の質が低下した。捜査から裁判への過程も強引な展開となり、エリオット・ステイブラー刑事も銃を振り回し、犯人と格闘するシーンが増えた。
シリーズ最終シーズンとなる16シーズンの中でオリヴィア・ベンソン刑事が元の相棒の
エリオット・ステイブラー刑事について語るときに、その捜査方法が強引過ぎたと語る場面が何度も出てくるように、マリシュカ・ハージティにとっては、ドラマがハリウッド映画のようなアクションドラマになるのは嫌だったようだ。
メインシリーズのLaw and Orderは人気のある俳優でも次々に交代させ、ドラマ本体が俳優に依存しないように制作していたが、SVUとクリミナルインテントはずっと同じ主役を配し、ヒーローもの的な面があったので、この過程はある種必然でした。



シーズン1のころのオリヴィア・ベンソン刑事 昔も美しいが、


シーズン16のオリヴィア・ベンソン刑事、歳をとってもきれいだ。

それゆえ、シーズン13でステイブラー刑事役のクリストファー・メローニが降板すると、作品の方向性にまとまりがなくなって、もう、これで終わりかなと思っていた。
しかし、オリヴィア・ベンソン刑事がSVUの指揮官(警部補)に収まるとともに、捜査方針も現実的なものに変えた。一見、前よりも派手さがなくなり、勢いが減ったように見えたかもしれないが、これは、メインの制作者となったマリシュカ・ハージティの原点回帰の狙いだったと思う。

SVUシリーズへの出演をきっかけに、私生活でも性犯罪被害者への支援や児童虐待防止へ取り組んできたマリシュカ・ハージティにとって、このドラマはエンターテイメントでありながら、社会への問題提起のような作品になったのだ。
彼女のその想いは作品の各所で語られ、シリーズの新しいテーマとなっている。
人身売買や大学構内での性犯罪などがいかに深刻か、ドラマを始めて15年経っても、昔と同じような犯罪が発生し、女性や子供たちが犠牲になっていることを訴えているのだ。



左から、
アマーロ刑事役のダニー・ピロ(Danny Pino)
アマンダ・ローリンズ刑事役のケリー・ギディッシュ(Kelli Giddish)
フィン・チュトゥーラ刑事役のICE-T、Hip Hopはもう歌わないのか。

また、彼女が制作側に入るまで、俳優間でのギャラの格差のためなのか、脇役の演技に無気力さがあったが、作品に制作費を払う側になったことで、マリシュカ・ハージティの周りも素直に演技が出来るようになった。
アマンダ・ローリンズ刑事役ケリー・ギディッシュ(Kelli Giddish)は鼻っ柱の強い性格の女刑事だが、過去の事件のトラウマが残っている様子など上手に演じていて、キャスト全体のチームワークが見て取れる。



養子に引き取った息子のノアを抱くベンソン刑事

さて、シーズン16では、
ベンソン刑事が、ある殺人事件で母親が犠牲になったために一人残された男の子の赤ちゃんを養子にするまでを、シリーズを通じて描く。
赤ちゃん、名前はノア、を養子に迎える決意は前シーズンでのことだが、シーズン16では、ノアの実父でかつ母親を殺害した犯人である人物も登場し、紆余曲折を経て、目出度く正式にノアを養子にするところで、シーズン最終話を迎える。
マリシュカ・ハージティは実際の私生活でも養子を迎えているので、この辺りの描き方のち密さと演技の真剣さには胸が打たれる。ノアも可愛らしい赤ちゃんとなり、ベンソン刑事はすっかり母親の顔になる。

最終話でアマーロ刑事役のダニー・ピロ(Danny Pino)が警察を退職すると話すので、彼はこのシーズンで降板だろう。
逆に、最初はオプション的な扱いかと思っていたICE-Tことフィン・チュトゥーラ刑事は、シーズン2に登場して以来ずーっと出演し、ベンソン刑事と並ぶベテランになった。
個人的にはマンチ刑事役のリチャード・ベルザー(Richard Belzer)が好きで、最近の作品にもチョイ役で出てくれるのが嬉しい、こんなところで楽しめるのがファン冥利か。

ゲストも多彩なLaw and Orderシリーズ、
SVUにも多彩なゲストが出ている


Season 7のInfluenceに出演、誰でしょう、


Walking Deadのダリル(Daryl Dixon)役 ノーマン・リーダス(Norman Reedus)ですね。

こちらは、


シーズン3の若かりし頃の、姉デシャネル、


最新シーズン(10)のボーンズでは第2子を妊娠中ですがまだまだ出演します。


Law And Order SVUはマリシュカ・ハージティによって不死鳥のように蘇った。シーズン13、14辺りで終わったと評しましたが、シーズン16を見て再評価します。
今後も続くならぜひ応援したい。

Law and Order SVUの最新情報は公式サイトが一番充実しています。
沢山のゲストの写真や舞台の裏側での素顔の写真もあります。英語ですけど。
米国NBCテレビの番組公式サイト



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