大阪市の解体が政局だけで決まるのに反対その4
‘大阪市を廃止して、5区にする案、大阪都構想(仮)の住民投票がとうとう公示されました。
何が利点なのかはっきりとしない構想にやみくもに突っ込んでいくのが心配です。
新聞やニュースにも利点・欠点、賛成意見、反対意見を解説しています。
ようやっと議論が始まったという状況です。
しかし、
そもそも、利点・欠点が両方あるという状況で、きちんとした設計も無しに大阪市を解体しても良いのでしょうか?
市と府の二重行政と言いますが、それは国と府、府と区になっても同じことではないでしょうか?何故、大阪市の解体のみが二重行政の解消になるのでしょう。
例えば、河川は大きさ、重要度によって管理が国や県に分かれていますが、これは解消されません。というか、これが問題にはなりません。
やり玉の水道事業に関しても、どこも市町村で区切っていて、それが特別問題になることはありません。国が一括で行うのではない限り、どこかで線引きが必要なのです。
水道事業に関しては、大阪市亡き後、事業組合を作って運営と言いますが、府と区、事業組合と結局3者が関わるのだから2重行政を解消と謳いつつ、3重の管理になる。
区の分割された権限と予算ゆえに、区が大阪府に頼らねばならない状況が多発して、結局のところ区や府、区をまとめた事業体などがそれぞれの利害で関わることになる。これは府市の2重行政と批判している点と全く同じで、大阪市の解体が全く効率化につながらないことの証明である。
そもそも、「大阪市では大きすぎる」と「大阪府に統合して広域で治める」とは矛盾していないですか?
それに大阪市の住民自治が大阪府より不足しているとは到底思えません。
それより、特別区5区になった場合、区長は大阪維新の会に独占されます。これがきめ細かい住民意志の反映といえるでしょうか?
大阪市が、今やるべきことは、目の前にある具体的な政策を確実に実行すること。
それは意外と普遍的なことで、一気呵成に解決できることではありません。ほかの人を説得する能力のない、文化的な教養も低く、俗悪テレビで出来もしないことをしゃべっていた人物が、大それた夢を見るのは勝手ですが、それを人におしつけるのはやめてもらいたい。
大阪市の経済再生に大規模開発は不要だし、無駄です。地道に少子化・女性の労働力活用が必要です。
海外観光客の誘致にはヘイトスピーチへの断固とした摘発が重要です。あれを許すのは恥ずかしいことです。
新婚世帯・子育て世帯への家賃補助などすごく効果があったと思います。家賃補助がなくなって大阪市外へ引っ越した人を何人も知っています。
鶴見緑地や万博公園のような大きな公園より小さな近所の公園をきれいにすべきです。
学力の向上より、いじめのない学校、安心して子供を通わせることの出来る学校にすべきです。
高齢者や障害者のために市バスの運行は拡充すべきです。バスで出かける高齢者は、寝たきりになってしまう高齢者よりずっと社会負担が少なくて済みます。自家用車を減らすことで交通事故も減らせます。医療負担は自治体の大きな支出ですが、市民を健康にすることで行政の負担を減らすのは、行政の基本的な機能です。
これらはいずれも大阪市で出来ます。橋本さんは単に努力していないだけです。何でも役人の責任にしてしまう、無責任な人です。
平松さんの地道な努力を見てほしい。大した期待もしてなかったけど、市長になってからの行政の改善ぶりは良かった。区役所の対応もはっきりと変わったし、子育て関連の福祉政策も良くなった。当時の民主党政権の政策もあって、少し暮らしやすくなっていた。
政治家には、劇的な改変より地道な進歩を望みたい。
例えば、
昔、大阪市の水道は臭いので有名だった。
神戸に住んでいて、独自の水源があることで、淀川の水を飲まずにすむのが救いだったほどだ。しかし、大阪市や淀川流域の自治体の努力で淀川に流入する下水を減らし、洗剤まで制限して淀川の水質を改善し、その上、浄水場を改良して、今では日本でも最高品質の水道水を提供している。
こういう積み重ねで大阪市が頑張ってきたことを台無しにするのは許されません。
これからも、こういう積み重ねを大事にして大阪市を良くしたいから、大阪市を解体する大阪都構想には反対です。
これは、私よりもずっと上手に解説しています。
横浜市は大阪市より大規模だが、横浜市の解体なんて誰も言いません。
I am an Osaka citizen.
私は大阪市民です。大阪市の解体(都構想)に反対です。
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