東大阪フレンドシップ2017 布施RS 小学生のラグビーでも完全本気

‘子供たちのラグビーに見たドラマ 布施RS

以前に息子たちがラグビーを習っていることを書いたが、先日の東大阪フレンドシップにて、本格的な試合に初めて全員が参加した。
東大阪の花園ラグビー場は2019年のワールドカップで使用されるので、きれいに改修され、フィールドも天然のふわふわの芝がひかれ、自分が学生時代にも使ったことがないほどの環境である。

今回の試合、我が息子たちの布施RSは南大阪RS、東大阪RS、京都のとりみRSと対戦することになっていた。
東大阪の地元、超強豪の東大阪RSが圧勝するだろうと、私ですら思っていた。チーム部員200名に達するほどの大規模チームで、各学年ごとABチームを構成できるほど優秀なメンバーがそろっているからだ(学年ごとなので、多少のばらつきはある)。

ラグビーチームは小学生1年から6年各学年ごと構成され、各学年ごと試合をするので、3人も参加していると試合を観戦するのもフィールドのあちこちを移動しながらで大変だ。

うちの息子の場合、

1年生の末っ子は主にゲームの対局を観察する頭脳プレイに徹し、


6年の長男は主にサイドの防衛に専念しているので、



この二人がフィールドを走り回って、追うのに大変という事態は考えられない。
まあ、二人とも競争心が少なく勝負にこだわらない主義なのだ。

小学生のクラスの中でも一番小さい息子たちにとって、大人並みに、自分の2倍も体重のある選手はすごい迫力だろう。


コーチは大人でも大きな体格である。そのコーチ陣と比べればわかると思うが、高学年になると大人顔負けの体格である。
こんな選手と、

こんな感じでぶつかる


普通びびる。

しかし、4年の次男は違う。
勝ち負けにとことんこだわる勝負師だから、試合となると完全に必死だ。
試合の動きを常に追わなければならない。

そして、前述した、大阪地区の最強のラグビーチームのひとつ東大阪RS相手の試合でドラマが始まる。

【対東大阪RS戦】
試合は東大阪RSのペースで進む、正確なパス回しで相手の守備を崩し、敵ボールには素早いタックルで出足を止めるという、ラグビーの王道のようなゲームプレイ。
しかし、今日は、いつもの東大阪RSの落ち着きがなかった。
逆に布施RS(息子たちのチーム)は挑戦者らしい闘争心と意地が感じられた。パスで守備ラインを崩されてもしつこく追い、少しでも次のパスを邪魔しに行く。その精神は、敵にトライを許した後も持続した、いや、敵の得点でよりはっきりと闘争心が高まっていた。横綱相手に金星を取りに行く気合が満ちていたのだ。
それを東大阪RSが感じ始めた。パスで敵のタックルを受けるのを避けて、キックでボールを敵陣に蹴りこもうとした。
と、その時、息子ががむしゃらにボールの前へ出た。
ボールチャージの練習なんて、小学生では行わない、私も教えたこともない。
それなのに、子供たちはゲームの中で、自然とそれを学び、恐怖する前に実践しているのだ。



ボールは息子のみぞおちに飛び込み、彼の息を止めた。一瞬、呼吸困難になる、誰もが一度は経験しただろう、文字通り「死にそうな」体験だ。


駆け寄るチームメイト、でも、どうしても立ち上がれずコーチに抱っこされてフィールドを出た。
私はセットしたカメラもそのままに、グランドに向かい救援に行った。
結局、息子は東大阪RS戦の残りには出られなかった。

ようやく、息子の体調が戻り、次の試合(合計3試合行う)のためにグランドに戻る途中、出会ったチームメイトに試合の結果を聞くと「勝ったよ」、
チームは仲間の負傷により一層奮起し、息子のリベンジを果たしてくれたのだ。

さらにドラマは進行する。

【対京都とりみRS戦】
最終戦、この日一番調子の良かった京都とりみRS。他学年では圧倒的な強さを発揮していた。テンポの良いパス回しを繰り返し、相手が崩れた時に鋭く突破してトライする。
そんな、とりみRSに相当苦戦すると思っていたが、勝利への貪欲さが布施RSにはあった。
体調を戻す時間を稼ぐために後半だけ出場することになった息子は、試合に出られないことにじりじりしていた。
そして同点に追いついての後半、満を持して出場した。



いや、普段ストレッチなんかせーへんやろう。

前半、試合をしっかり見ていたので、ボールの流れを理解していた。
敵ボールの時、プレッシャーで相手陣地に追い込み、タックルでラインから押し出した。そのあとのブレークダウンの時、ボールコントロールの隙を狙って、息子はボールを奪った。





チームでも俊足を誇る息子は一気にゴールラインへ。



「よっしゃー!、トライや」

息子はまだトライしない。


「よし、そこでええ、ボール置け」

でもしない、なんでや、


「おー、そこそこ、トライしろ」
(力が入りすぎてぶれてる写真)

敵チームがなぜかトライしない息子に近づくが、敵も理由がわからないのでタックルしない。
「あーーー」「わーーー」

実は、
息子はどこにトライすべきか知らなかったのだ。

審判に即され、ようやくボールを地面に置いた。

試合後、コーチの一人は「息子さん素質あるからしっかり教えますよ、まずはトライの場所から」

こういうところは学生や社会人のラグビーでは考えられないが、プレイ自体の迫力や真剣さ、勝負としての面白さは全く劣らないと気付いた試合だった。

息子たちは真夏の練習にもかなり元気に積極的に参加する。
まじめさには程遠い奴だと思っていたが、やること(目的)によっては真剣に、必死に向かっていく根性があるんだなと見直した1日だった。


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