FARGO/ファーゴ コーエン兄弟の海外ドラマ 「これは実話である」【ネタバレ有】
またまた面白いドラマを見つけました。
既にシーズン3まで放送済みですが、1シーズン完結のドラマなので、今からでも楽しめます。
コーエン兄弟が製作したドラマ「FARGO/ファーゴ」です。
FOX系のFXが放送している。
コーエン兄弟は1996年に映画「ファーゴ」を監督しており、ドラマはそれを下敷きに作られましたが、内容は別物になっています。
コメディな要素を加えたブラック・サスペンス・ドラマというコーエン兄弟の十八番の仕上がり。映画も相当に面白かったが、このドラマは軽くそれを超えているのではないかと思えるほどの迫力と完成度になっています。
このドラマ、同じタイトルFARGO/ファーゴでシーズンを連続させているものの、シーズンごと全く別物のドラマで、ストーリーやキャストもシーズンごと全く違う。同じキャラクターが出ていたり、親子2代にわたり警官として出ていたりするが、別のドラマとして見る方が分かりやすいだろう。
キャスティングも大迫力!と思っていたら、
シーズン1ではビリー・ボブ・ソートンにマーティン・フリーマン、ハリウッド大作級の役者ぞろいと思えば、シーズン2以降は、逆に、一般人?と見まがうほど地味な役者ぞろい。
と思っていたら、実はキルスティン・ダンストが地味な主婦役で出ています。「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」での魔力のような少女の美しさは全く無く、中年を前にした夢見るおばさんという感じを出している。他のキャストと並ぶと美しさは際立っていると分かります。
さすがにシーズン3以降はしょぼい役者で固めています。
いや、ユアン・マクレガーが出てるやん!
キャスティング凄かったです、すみません。
脇にはきら星のごとくしょぼい役者たちが固めていますが、その普通の役者さんたちがものすごい迫力の演技をしてくれるのです。イケメンでも美女でもない彼らが実話でないこのドラマを実話に見せてくれるのです。
ドラマの舞台はミネソタ州、季節はいつも冬で、映画版ファーゴにも出てきた雪の中に埋められた大金というのが伏線になっています。
ドラマはすでに4シーズンの放送・製作が行われているが、どのシーズンもミネソタ州近辺の冬が舞台になっている。
そして、いつも冒頭に「このドラマは実話です」とテロップがつく。
でも、実際に何十人もの殺人事件、(シーズン1ではビリー・ボブ・ソートン演じる殺し屋ローン・マルヴォだけでも32人を殺している)、が実話としてあるはずがないので、この冒頭のテロップもコーエン兄弟やプロヂューサーのノア・ホーリー独特のジョークでしょう。
しかし、完全に嘘かと言うとそうでもなく、映画ファーゴやドラマのシーズン1にある犯罪の為に見知らぬ人を雇う代理殺人や狂言誘拐というのは実際にあった話だそうです。ディスカバリー・チャンネルのアメリカ犯罪のドキュメンタリーでそっくりの話がありました。
ともかく、ドラマでもエピローグでは「これはフィクションです」とことわっていますので、くれぐれもこの話を真に受けないように。
役者の演技のところで言いましたが、物語はいつも普通の生活者がとんでもない奴(ほぼ犯罪者)に巻きもまれて、最初はほんの少しのズルが、どんどん凶悪な犯罪にエスカレートしていく。
そして、コーエン兄弟の映画にはつきものの雇われのプロの犯罪者が登場し、ストーリーをとんでもない非常識な展開へと導く。
「赤ちゃん泥棒」の賞金稼ぎスモールスなどの延長線上にマルヴォやV・M・ヴァーガのキャラがある。
写真を並べると、不気味な何を考えているか分からない感じが確かに似ている。
シーズン1
あらすじ・概要
ミネソタ州ベジミー、田舎町の冬が舞台。
ドラマ「シャーロック」のワトソン役、ホビットの主人公のマーティン・フリーマン演じるレスター・ナイガードが、病院でたまたま隣に座ったビリー・ボブ・ソートン演じる殺し屋ローン・マルヴォに昔からのいじめっ子の事を話したのがきっかけで、マルヴォはそのいじめっ子を殺す。
その後、レスターが憎んでいた妻を殺してしまい、後始末をマルヴォに頼むと、その時に警察署長が居合わせ、マルヴォが署長をショットガンで撃ち殺す。
署長が死んで、捜査を引き継いだのが警察副署長のモリー・ソルヴァーソン(アリソン・トルマン)で、ダルース警察(隣町?)のガス・グリムリーと協力して事件の真相をしつこく追及する。ガス・グリムリーはドラマ「デクスター」で殺人犯役だったコリン・ハンクス。お父さんのトム・ハンクスとは違った繊細な役作りをしている。
殺し屋マルヴォが殺したレスターをいじめていた男は、実はギャングの末端の組員で、組織への攻撃と疑ったギャングが調査のために二人の殺し屋を差し向ける。
ドラマは総じてビリー・ボブ・ソートン演じるローン・マルヴォの強烈なキャラクターを軸に展開するが、この二人の殺し屋も中々に魅力的な恐ろしいキャラである。一人は黒ずくめの冷徹な男で、ナンバーズと呼ばれている、その相棒は聾唖者のレンチ。どちらも凄腕だが霧の中でマルヴォを追い詰めるが、逆にナンバーズが殺され、レンチは捜査中の副署長モリーに撃たれる。モリーも撃たれるが助かる。
マルヴォは自分に殺し屋を差し向けたファーゴのギャング組織のアジトに単身乗り込み、FBIの監視の中、ギャング組織を皆殺しにする。
レスターは自身の妻の殺害容疑の罪を兄のチャズに擦り付け、チャズは弟の妻と不倫をして痴情の縺れが動機で殺害したとされ逮捕される。レスターはこの頃から自分に自信を持つようになり、利己主義的に行動する。
1年後、モリーはガスと結婚して、次の子を妊娠している。レスターは秘書のリンダと結婚し、保険営業での表彰を受けるために訪れていたラスベガスでマルヴォを見かける。レスターは見違えるように変わった自分を見せるためにマルヴォに話しかけた。証人保護で隠れている証人を探すために歯科医に成りすましていたマルヴォは同僚や妻を殺害する。
レスターは新妻のリンダと海外へ逃げようとするが、リンダがマルヴォに殺される。マルヴォはFBIの捜査員を殺害しレスターを家に追い詰めるが、熊用罠のトラバサミに足を挟まれ重傷を負う。彼は足の治療のために隠れ家に帰るが、待ち構えていたガスによって射殺される。
マルヴォは殺人を依頼されるときなどに録音テープを残しており、それが証拠となってレスターの妻殺害の容疑が確かめられ、レスターは警察に追われ、湖の氷を踏み抜き溺れてしまう。
大悪党、悪魔並み、マルヴォ
ビリー・ボブ・ソートン演じる殺し屋ローン・マルヴォ
コーエン兄弟の作品には「ノーカントリー」という作品があり、その中にエアボンベを改造した銃で人を殺す恐ろしい殺し屋が出てきたが、このドラマのビリー・ボブ・ソートン演じる殺し屋マルヴォやシーズン3のVMヴァーガも同じような奇妙でいて、確実に恐ろしい、無口な、強烈な個性を持ったキャラクターだ。
小さな悪さをするずるがしこい人間が沢山出てくるが、マルヴォはそんな奴らを躊躇なく殺しまくる。ある種爽快でもあるが、警察官ガスがマルヴォの聴取を恐れて出来なかったように、彼に関わると確実に不幸な結果になると感じてしまう恐ろしさを漂わせている。
マーティン・フリーマン演じるレスター・ナイガードは彼の恐ろしさを知りつつも、妻の殺害をきっかけに、マルヴォのためらいの無い行動に憧れて真似をしてみる。レスターのような気の弱かった人が、自分の欲望に素直になりふり構わず行動すると、敵わないと思っていた兄も刑務所送りに出来るし、今まで馬鹿にして見向きもされなかった秘書のリンダにも惚れられるようになる。保険営業でも抜群の仕事ぶりを発揮し、マルヴォに殺させたいじめっ子の残された妻も寝取ってしまう。
そんな自信から、偶然出会ったマルヴォに話しかけるが、マルヴォの恐ろしさを目の当たりにして狼狽えてしまう。
結局、レスターのような子悪党では、本当の悪魔には敵わなかった。
子悪党レスター
レスター・ナイガード、演じるはシャーロックのワトソン役のマーティン・フリーマン
初めは犯した犯罪に狼狽していたレスターが、次第に悪ぶりを発揮しつつ、狡く賢く成長する(!?)様がリアルで、滑稽で少し憎たらしい役どころをマーティン・フリーマンが良く演じている。マルヴォによってギャングが壊滅し、兄が逮捕された後の調子に乗ったレスターの様子がこ憎たらしい。保険代理店での仕事でマルヴォが殺した元いじめっ子の妻に会いに行くときも、押しの強い寡婦に対して、保険をエサに、セックスを要求し、後に保険が下りないと分かった時にも、文句を言いに来たその寡婦を強引に追い返す。男らしくなったレスターに同僚のアジア系の可愛らしい秘書も惚れてしまう。お調子者で軽薄な感じはラスベガスの表彰式で最高潮に達し、その時に偶然居合わせた、「仕事中」のマルヴォが避けているにも関わらず、話しかけ、彼の仕事の邪魔をしてしまう。
やっちまったである。エレベーター内で3人を瞬殺するのを目の当たりにしてようやく彼の冷酷ぶりに気づくが後の祭り、彼はマルヴォの目標になってしまう。
それでも、最終話での彼の反撃は大したもので、逮捕された兄から譲り受けた罠でマルヴォを足止めするのは皮肉な展開であった。
結局、彼が自ら殺人を犯したのは妻だけであったが、いじめっ子の同級生や秘書のリンダの殺人に関しても、実質的にレスターを救うための殺人で、ドラマ中マルヴォに次ぐ悪者になってしまっている。
普通の人が、不条理にも、冷酷な経験をしたために自ら悪に染まっていく様を、マーティン・フリーマンでなければ演じられなかったほどのはまり役であった。
エエもん
それに対して完全に善良なのはベジミー警察のモリー副署長とガス。この二人にモリーの父親は良識を持ち、正義を信じて、相手が悪魔のようなものであっても恐れず立ち向かう。いや、恐れてはいるが、あくまで、自分と同じ人間として恐れている。悪魔のような殺人者でも、それが人間であることを忘れない。
ガスはともかく、モリーは普通の30台の女性で、普通の警官という役柄がぴったり、一見すると脇役のようにカリスマを感じない役者なのだが、ドラマが進むにつれて、どんどん魅力的に、頼もしく変わっていく。レンチとの撃ち合いでも、彼女なら倒せると思えた。見ていて、いつの間にか彼女を応援している。感情移入出来る人物は彼女だけではないだろうか。
最後に彼女とガスが円満な家庭を築いている様子が描かれ、うすら寒いドラマの中で唯一のすがすがしいシーンになっている。この二人のおかげで、ハッピーエンドのドラマになっているのが凄い。
ちなみに、この警官のモリーの父親がシーズン2の警官ルー・ソルヴァーソンで、成長したモリーの姿はドラマのシーズン3でも少し言及され、その後の様子が分かる。シーズン3には聾唖の殺し屋レンチも出てくる。
途中で、スーパーマーケット事業を展開しているスタヴォロス・マイロスがマルヴォを雇い、自分を恐喝している犯人を見つけるように依頼するが、マルヴォは逆にスタヴォロスを脅す。実は、スタヴォロスがスーパーマーケット事業を始めるための資金は、映画ファーゴで雪の中に埋めたスーツケースで得たものだったのだ。スタヴォロスは要求されているお金を雪の中に埋めるので、このお金はまた出てくるのではないだろうか。
シーズン2
あらすじ・概要
シーズン1のモリーのお父さんが警察官役ルー・ソルヴァーソン。時代設定は1979年、ちょうどロナルド・レーガンの大統領選挙の時期である。
ゲアハルト一家の皆様
ノースダコタ州ファーゴのゲアハルト一家は町を支配する地方のギャング組織だ。一家のボスが脳梗塞で倒れると、カンザスシティの巨大なギャング組織がゲアハルト一家のビジネスを買い取るか戦争するかの選択を迫られる。ゲアハルト一家の3兄弟のうち末の息子ライは自身のビジネスのために裁判所判事を脅しに行くが、抵抗され射殺してしまう。
思いかけず殺人を犯したライはUFOを見かけ気を取られているうちに車にひかれる。
ライを引いたのはキルティン・ダンスト演じるペギーで、彼女はライを車のウィンドウに突き刺したまま家に帰り、夫エドが息を吹き返したライにとどめを刺し、夫婦は死体を隠す。
ライの行方を追うゲアハルト一家の長男ドットは、バーン・ノーティスのジェフリー・ドノヴァンが演じ、バーン・ノーティスの時のクールなスパイからは様変わりして、よりマッチョで粗暴な男になり切っている。ドットはライの行方を突き止め、ペギーとエドの家に押し入るが、ペギーの思わぬ反撃で逆に捕まってしまう。二人はドットを人質に金と安全をゲアハルト一家に要求するが、インディアン(アメリカ原住民)の血を引く追跡者のハンジーが独断で行動して、ペギー夫妻の隠れ家を突き止め、なんとドットを殺してしまう。
ルー・ソルヴァーソンはペギー夫妻を捕まえるが、ギャングせん滅を図るサウスダコタ警察は二人をエサにギャングをおびき出す。ギャングと警察の激しい銃撃戦になり双方ほぼ全滅する。エドはハンジーに殺され、ペギーは逮捕される。ゲアハルトのお母さんも死に、次男も死ぬ。せん滅を指揮した警察も大体死ぬ。
ルー・ソルヴァーソンと義理のお父さんは生き残る。ハンジーも生き残り、IDを偽造して逃亡する。これは後のシーズンで出てきそうなキャラである。
シーズン2は前後のシーズンと比べ、強烈なキャラクターがいないが、全体のストーリーは他よりも素直で緊張感が連続している、奇想天外なのはペギーがひき逃げの際にライをウィンドウに突き刺したまま家に帰ることだけで、他は普通にあり得るギャングの抗争だ。ハンジーも冷酷な殺人者というより、賢い反逆者と言えるのではないだろうか。ドットの行方を追っているときに、聞き込みに入った差別主義者のバーで、インディアンであることを理由に店の不良たちに言いがかりをつけられた時には、店の客や店主、駆け付けた警官も射殺するが、これはしょうがないと理由に納得できる。その場の人間を皆殺ししていても、まだまともと思えるのはFARGO/ファーゴの世界ならどんな奴でも出てきそうだからだろう。
普通の市民の側のエドとペギーが、ほとんど罪悪感なしに、死体を食肉用の肉挽き機で処理したり、うるさいからと人質の胸を調理中の包丁でぷすりと刺したり、平然と行うのが一番怖かった。キルティン・ダンストとジェシー・プレモンスの演技が最高でした。ちなみにこの夫婦役を演じた二人はドラマ共演のあと結婚している。
「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の少女吸血鬼役の頃は魔法のかかったお人形のように可愛かったキルティンが
こんなぶさ男(ごめん)と結婚してしまうなんて、なんでメス・デイモンと結婚するかな。まあ、きっと性格はいいやつなんだろう。
シーズン3
今のところ見たのはシーズン3まで。
あらすじ・概要
ユアン・マクレガーがライトセーバーを置いて、一人二役で挑戦する。
全く大物俳優な雰囲気は無く、禿げの弟の方に至っては、最初、ユアン・マクレガーだと気づきませんでした。
ユアン・マクレガー演ずる、スタッシー兄弟の兄エミットは駐車場ビジネスで成功しているが、保護観察官の弟レイは兄の成功を羨むうだつの上がらない人物で、保護観察中の女の子ニッキー・スワンゴに惚れている。幼いころに兄に騙されて取られた希少な切手を奪い返すために人を雇って兄の元に送るが、そいつは間違って別の「スタッシー」を殺害してしまう。
そして、そのスタッシーの娘がグロリア・バーグル、エデンバレー警察の署長。署長と言っても、署員は彼女と部下の二人だけ。グロリアは継父の死がただの強盗殺人ではないとにらみ捜査を開始する。
一方、エミットはV・M・ヴァーガというロシア系と思しき謎の金融業者に金を借りてしまったがために脅され利用される。おそらくV・M・ヴァーガは大規模な金融詐欺を行っており、ロシア人のユーリとアジア系のミーモという二人の殺し屋を抱えている。もちろんこの二人も躊躇せずに人を突き落とし、女であってもぼこぼこに殴る、冷酷非情な男たちである。
V・M・ヴァーガはデヴィッド・シューリスが演じ、多食拒食症の為に歯がぼろぼろになっている。その汚い歯でニタっと笑うのがなんとも不気味。
レイ・スタッシーと婚約中のニッキーは若い魅力的な女性で、保護観察で知り合わなければ絶対にレイとは付き合わないだろうと思うほど美人。彼女はトランプゲームのブリッジの達人で、大会でも3位になる実力を持つ。ブリッジの相棒はレイだ。ニッキーは美しいだけでなく、賢く大胆で、レイの雇った殺害犯がレイを恐喝し始めるや否や、エアコン室外機を頭上に落として殺害、さらに兄のエミットから切手や金を奪うべく、レイを手助けする。
やがてニッキーはエミットの裏にV・M・ヴァーガが存在することに気付き、なんと今度はV・M・ヴァーガを、裏帳簿をネタに恐喝する。
当然、彼女は痛めつけられる。同じころ、弟のレイに切手を返そうと兄エミットが弟の家に訪れるが、切手の事でけんかになり、エミットが弟を押し倒したはずみで弟はガラスで首を切って死んでしまう。エミットはV・M・ヴァーガの助けで殺害を隠蔽する。
捜査を進めるグロリアは、別の警察の女性警官のウィニーの手助けで、事件へのレイの関連をつかんでおり、しかし、レイは死んでしまい、ニッキーが逮捕される。
ニッキーを始末するためにヴァーガは拘置所にも殺し屋を送るが、同時期に連行されていたシーズン1で登場した聾唖の殺し屋レンチに助けられ、逆にクロスボウで反撃し追っての一人を殺す。
ニッキーは裏帳簿のHDDをネタにヴァーガに取引を持ち掛け、ヴァーガはニッキーを殺すために出向く。
ニッキーはレンチとともにヴァーガの一味を罠にかけ、多数の部下を殺すがヴァーガは逃れる。ニッキーは取引で奪った金をレンチに渡し、自らはエミットを殺しに行く。しかし、エミットを殺そうとしたときに警官が現れ、相打ちになって死んでしまう。
数年後、エミットは毒から回復したサイと食事をしているが、そこにレンチが現れ殺される。
ヴァーガは国土安全省の捜査官となったグロリアに逮捕されているが、自分はすぐに釈放になると嘯いている。
グロリアの継父のエニス・スタッシーは、本当はSF作家のサディアス・モブリーであり、カルフォルニアで詐欺にあって破滅した後、酔って吐いていたトイレのメーカー名からスタッシーという名前に変名した。グロリアは継父の足跡を調べる中で同じトイレのそばに化粧品を落として拾い上げるときに同じメーカー名を見つける。継父がたまたま見つけた名前に変名したがために、この同じ名字で間違えた事件に巻き込まれたことに気付く。
この過去と今が輻輳しつつ交錯する瞬間の描き方が秀逸である。
エミット・スタッシーとサイ・フェルツ、二人はヴァーガに利用される。
このドラマでは脇役のサイ・フェルツ(マイケル・スタールバーグ)はHBOのボード・オブ・エンパイアではマフィアの大ボス、ロススタインを演じていて、好きな俳優でした。FARGO/ファーゴではヴァーガの小便を飲まされるなど散々脅され、毒で歩けなくなってしまうなど悲惨な人物を演じていました。
ユアン・マクレガーに至っては、一人二役、一方は禿げ頭、最初ユアンだと分かりませんでした。禿げの弟は前述したように、メアリー・エリザベス・ウィンステッド演じるニッキーとドラマの中で婚約していましたが、現実にも、メアリーと恋仲のようです。
シーズン2のキルティン・ダンストとジェシー・プレモンスに続き又もドラマカップル誕生です。
シーズン4も製作放送が決まっています。
1950年代のミズーリ州カンザスシティが舞台。クリス・ロックが主演として決まっているそうです。新興のギャング組織と旧来のギャングとの抗争が勃発するらしい。クリスは新興ギャングのボス役。
この時代設定なら、シーズン2とのリンクがありそうです。カンザスシティのボスが死亡するのがきっかけと言われているので、シーズン2で死んだカンザスシティのギャングの幹部の地元での影響がありそう。ハンジが出てきそうな予感。
これまでのシーズンとのリンクや個性的なキャラが再び登場するなど期待が募ります。楽しみにしています。2019-2020年はゲーム・オブ・スローンズの最終シーズンも控え、海外ドラマファンには待ち遠しい限りですね。
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