Mr Robot ミスター ロボット Amazon製作のドラマ 【ネタバレあり】



Amazonドラマ「Mr.Robot」
Amazonドラマ「Mr.Robot」

Amazonはプライム会員向けに独自製作のドラマを配信している。そのうちの一つ。

結論だけ言うと、Netflixなど先行している独自製作ドラマ、「ハウス・オブ・カード」、「ブレイキング・バッド」などに一歩劣るが、今後に期待できる。

「Mr.Robot」は薬物中毒者で情緒不安定な天才ハッカーを主人公にしたドラマ。主人公エリオット(ラミ・マレックRami Malek)がMr Robot(クリスチャン・スレイター)と名乗る不思議な人物に Fソサエティ というハッカー集団に誘われ、Eコープと言う巨大企業の金融データをすべて破壊しようと頑張る話。

【以下ネタバレあり】

エリオットは幼いころ、父親をEコープ(生協ではない)の産業廃棄物不法投棄事件が原因のガンで失っており、Eコープへのハッキングはその復讐でもある。また、Mr Robotはエリオットが幻覚で生み出した父親で、実在しないのだった。最終話で、目出度くEコープへのハッキング・データ消去は成功するが、EコープCEOはクラブで余裕の笑顔で座っていた。次シーズンに続く、という感じだ。

このドラマ、3話くらいから7話くらいまで眠くなる。それでも見続けたのは、ハッキングに伴うコンピュータ関連のセリフの考証が正確で、プロでも突っ込みなしだったからだ。

最近のドラマに天才ハッカーはつきものだが、大抵の場合、切羽詰まった数分の間に、そこらのパソコンをカチャカチャすれば、銀行だろうと国防総省だろうと侵入できて、マーベリックミサイルでも何でも操作できる。いくつかパスワードを連想すればどんな「ファイア・ウォール」でも突破できる。

と、こんな幼稚な現実は存在しない。米軍のネットワークは単独専用のネットワークでインターネットから侵入することは出来ない。そもそも、インターネットは米軍の核攻撃に耐えられる分散ネットワーク技術の開発の結果作り出されたもので、それを民間に公開したのは、米軍で採用するのをやめたからだ。核攻撃には耐えられるが、情報セキュリティ上のリスクと上意下達の軍隊の組織に合わないからだ。もちろん、公開に際して、軍事ネットワークがインターネットとは関わらない仕組みになっている。

今作では、そのあたりの不快感が全くなくて、エリオットが「すごいハッカーだ」と感じられた。ハッキングもSNSの情報を元にその人物を推測する、あり得る手段を使っている。
途中からありえないハックもあるが、そこはドラマだと納得できる範囲であった。

私は吹き替えで見たが、これがまた良い。きちんとしたプロの声優をあてて、エリオット役の内山 昂輝 氏はHunter×Hunterのキメラアント王のメルエム役でも素晴らしい演技をしていて大好きな声優の一人だ。内省的な性格を良く表していて、声だけで人物造形がうかがえる。

他の登場人物では野心的なEコープの役員、タイレル・ウェリックとその奥さんがとても良い。スウェーデン人という設定で、IKEAの役員に本当にいそうな悪者である。(んぅ!?、IKEA?当然悪者企業ですよ)

ただ、ストーリーの結末が適当過ぎる。Mr Robotが死んだ父親の幻覚だったなんて、ハッキングのリアリティさに比べおとぎ話のようで、ありきたりな辻褄合わせになっている。死んだ父親のことなど説明不要だと思うのに、父親不在の国、アメリカ合衆国はどうしても父親との確執を描きたがる。「存在しない」で良いだろう。

まあ、最後はちょっとまとまらないが、タブレットなどで仕事の合間に見るにはちょうど良い。Amazonプライムのビデオ配信のシステムと良くマッチしている。特に吹き替えを頑張っているのが評価できる。
今後も、この調子でNetflixやHuluと戦ってほしいものだ。

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