日本で一番おいしいパン屋さんになった話 ブーランジェリー レコルト



絶品のいちじくのカンパーニュ
絶品のいちじくのカンパーニュ




開店したころ
開店したころ



神戸の兵庫駅近くにあるパン屋さん ブーランジェリー レコルト。

今ではTVや雑誌などのメディアにも登場し、三宮や元町のデパートなどの催しにもしょっちゅう招かれるほど。
そして、ついに梅田阪急百貨店本店にも登場することになった。

レコルトのシェフ、松尾さん(「ペーちゃん」と呼んでいます)がパン屋を目指したのは7年ほど前かな、知り合ってから数年後だったとおもう。

私は、元々、神戸のパンが大好きで、神戸の店のあちこちからパンを集めて食べ比べして、どこが一番おいしいか探したほどのパン好き。輸入品のカマンベールチーズやワインと合わせて食べるのが大好き。

そんなパン好きの私たち家族に、趣味で作ったペーちゃんの手作りパンが差し入れされるようになった。元来、料理好きで工夫屋さんだから、子供たちに美味しい手作りパンを作ってあげたいと思ったのだろうが、のめり込みようは並大抵でなかった。

まずは、食パンやアンパンなどいろんな種類の生地を焼き上げられるのか挑戦。まあ、当時のパンはお世辞にも美味しいとは言えなかった。
しかし、彼は努力を止めない、出来るまでやる。
ちょうど新居への引っ越しがあり、彼はその新居のキッチンにパンを焼けるオーブンを特注で組み込んだほど。
この頃にはもう、パン作りを仕事にしたいと思っていたと思うが、
その後の行動は素早く、検査技師という安定した仕事を辞めてパン屋のアルバイトに行き始めたのだ。
これにはかなり驚きました。小さな子供がいて、新居購入などそれでなくても大変な時期なのに、ひょうひょうといつもの明るい調子で転職してしまったのだ。

私はペーちゃんがとてつもない努力家で、体力もあって、勉強も出来る、そしてなによりも奢ることなくいつでも謙虚に学ぶ人だと知っていたので、
「ぺーちゃんなら絶対成功」と確信していました。
それで、どうせ学ぶなら最高の環境で学ぶべきと神戸のパン作りの殿堂であるビゴの店で働けばと、ビゴさんの本のプレゼントと一緒に、勧めたのでした。

このことをどんなに後悔したことか、パン屋さんはそれでなくても体力のいる仕事。三宮の有名店、昔気質のビゴの店だとそれは数倍しんどい。
朝は3時に自転車をすっ飛ばし、夜は8時過ぎまで働く。昼食はなし。給料は安い。子供が小さいのでその世話もする。
その上、ペーちゃんは週末のトレーニングや子供の行事への参加も欠かさず参加。いったい何時寝るねん。
いまも同じような生活ですが、独立する前に倒れたらどうしようと心配でした。

しかし、こんなにしんどい仕事と分かってからも常に腕を磨くことを怠らず、日本一おいしいパンを目指して努力を続けたのでした。
お店のパンをよりおいしくする為に家に帰ってからも生地の研究をしていた。

私はこの進化の過程を見て味わってきた。それは次第に店の味に近づき、やがて普通の店のそれを越え、名店のパンに並び、最後にはこれまでに一度も味わったことのないほど美味いパンになった。

私はパンをワインと合わせ食事に食べるが、ペーちゃんはそれほどお酒を飲まない。だからワインに合わせてパンを作るのは難しいかなと想像していた。
しかし、その予想は想像もしない形で覆される。

パン屋修行で忙しいペーちゃん家族を誘ってUSJに泊まりこみで遊びに行ったことがある。
そろそろ独立を考えたころだろう。
ホテルの部屋で一緒に持ち寄った料理で食事しようということになり、私たちはワインやチーズやキノコのマリネのソテー、ハムなどを用意し、ペーちゃんは勿論パン。
この時作ってもらったパンの一つが「いちじくのカンパーニュ」
しっかりした味わいの生地にいちじくの甘さと香りがしみ込んでいる。これにブルーチーズ(スティルトン)をのせワインと味わった時の感動は今も忘れられない。日本でこんなパンを食べられるとは!
美味しいワインは手に入る、美味しいチーズも高価だが手に入る、でもワインにあう食事パンは日本になかった。それを作ったシェフを前に味わえるのだ。

レコルトはフランス語で収穫を意味する。
これまでの努力研鑽を収穫するときが来たのだ。我々は、日本でこのパンを味わえることに感謝しなければならない。それが神戸にあるのだ。

夢に話し合った、梅田のデパートへの出店。催事出店ではあるが、ついに実現した。

夢のパンで夢の仕事で人々の夢にも参加できるぺーちゃんが素晴らしく輝いている。そして、夢を支え一緒に歩み進んだ奥様と子供たちにも最大限の賛辞を送りたい。
ブーランジェリー レコルト おめでとう、そしてこれからもよろしく。





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