女捜査官グレース 天使の保護観察中 近年まれに見る傑作ドラマ



女捜査官グレース 原題「Saving Grace」
女捜査官グレース 原題「Saving Grace」




筋肉モリモリだがセクシー
女捜査官グレース 原題「Saving Grace」


最近CATVの多チャンネル化と有料チャンネルの定着などで映画に匹敵する高品質のドラマが頻出している。
少し前なら「ER」、「ヒルストリート・ブルース」、英国グラナダ社や米国HBOの作品などがその典型だ。

しかし、それら優秀なドラマたちと比べてもこの「女捜査官グレース」は特筆すべきものがある。

これは、オクラホマ市の市警の捜査官達、特に女性刑事グレースの話で、彼女は、ある「天使」に取り付かれ、後もう少しで地獄行きだからその前に天使がなんとか救おうとしている。
これが根幹の話で、毎回ある事件を一話完結で描いていく。

主人公グレースはホリー・ハンターが演じる。あの「ピアノ・レッスン」の主演者である。

痩せぎすの体に鍛え上げた筋肉をつけ、丸裸でのセックスシーンを体当たりで演じる彼女から、この作品が只者ではないことを告げられる。

毎回、一話完結の事件を主人公グレースが執念を持って解決していくのだが、それぞれには、必ず根底を貫くテーマが語られている。


オクラホマ市警を選んだのは、テロ事件の舞台でありつつニューヨークのように「幻想的」でないからだろう。

オクラホマ連邦政府ビル爆破事件は「9・11」以前においては、米国史上最悪のテロ事件で、思想的・政治的動機、その手段においてはその後のテロ事件の端緒となる事件であった。

グレースはこの事件で愛する家族を失い、ビルからの救出作業にかかわり、犯人の死刑に立ち会っている。
彼女はテロを憎み、家族を愛し、神を信じていない。
これは、現在の米国の良心の迷いそのものなのだ。


彼女を何とか救おうとする天使「アール」(中年のおっさん)は、彼女が、その事件や、幼児期に受けた性的な虐待ゆえに「悪」を憎むことから救おうとする。


「悪を憎む心」とは即ち正義である。天使と神は、その正義に取り付かれた彼女を、「正義」から救おうとしているのだ!


これこそが現在の米国、世界を現してているのではないだろうか。


天使「アール」の見解によれば、主人公グレースは「間違っている」が、
凶悪な犯人をシバキ回し、幼児をレイプした犯人を誘拐して脅し、テロ事件の犯人の死刑を微笑みながら見つめたグレースが、現在の社会正義に反しているだろうか?
反していないのだ。

今日の正義感で評するなら、彼女こそが正義の使者なのだ。



今日の、社会にある、実際は偏見に彩られた正義に対して、真っ向から疑問を提示して、新たな未来の探索を提案するのがこのドラマである。


すごく大げさに聞こえるかも知れないが、このドラマその意味を確かに認識している。
自分たちの作品の、歴史上での価値を認識している。

女捜査官グレース 天使の保護観察中 FOXで放送

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